ウガンダ訪問記5 希少な生カカオ豆、その舞台裏へ──感謝を込めて加工所を見学
当店の人気商品『カカオボール』
今年のバレンタインは、福岡の大丸百貨店に出店しました。
その会場で完売となった当店の人気商品が「カカオボール」です。
カカオ70%のチョコレートで、生のカカオニブをまるごと包んだ一粒。
濃厚なのに甘すぎず、「食べるお酒みたい」と言われるほど芳醇な香りとほどよい甘さが特長です。噛むほどに味わいが深まります。
使っているのは、ウガンダの Farm of Africa から届いたカカオ。
中でも生のカカオニブは、焙煎していない非加熱のカカオ豆で、栄養価が高く、柔らかくて食べやすいのが魅力です。
外皮には菌がついているため、Farm of Africa のスタッフが一粒ずつナイフで丁寧に皮をむいています。
この希少なニブを、何度も手作業でチョコレートで包み、カカオボールが完成します。
光沢剤やココアパウダーは不使用。手作りのため形は少し不揃いですが、それも味わいのひとつです。
お客様からは──
「苦くない」「甘さ控えめで好み」「大人の味」「お酒のおつまみに最高」などの声をいただき、リピートで再来店される方も多数。
その結果、完売となりました。
ここで生カカオ豆が生まれています
2階に加工を行う部屋がありました。
この部屋で、黙々と皮むきをされています。
ボランティアではなくビジネスですから、付加価値をつければ高値で取引が可能になります。
スタッフさんも、いいものを作ってお金をもらう、その仕組みが評価制度です。
スピードとクオリティ。
全て計測して、頑張った人、成果を出した人がきちんと評価され、お給料がもらえるようになっています。
まだまだ日本での「当たり前」が通じない国ですから、まずはここからなのでしょう。
そして、Farm of Africaさんは、とにかく「選別命!」とおっしゃっていました。
皮を剥きながらも、虫食いやぺっちゃんこ、ナイフの跡がないか、異物がないかをしっかり見ます。そして万が一良くない豆は欠陥豆になります。
この欠陥豆は、バルク品として安く販売されているそうです。無駄がありません。
そしてむいた皮も、農園での肥料にされるそうです。
最後にUV殺菌を行います。紫外線には、細菌やウイルスを殺す効果があることはよく知られています。
皮をむいたカカオ豆にUV殺菌灯(紫外線ランプ)を当てることで、細菌やカビ、ウイルスなどを死滅させることができます。
加熱しないので、これはとても安心です。
殺菌された生カカオ豆は、再度選別されます。
合計で3回も選別されるのです。
そして袋に規定の重量入れられます。
最後に真空にし、シーラーで熱圧着して完成。
まさに当店に納品される形になりました ^^
部屋の壁には、注意書きが掲示してあります。アルコール消毒も徹底されてるそうです。
高品質を保つためにも、安全教育は大切です。私たちも変わりません。
今回、ウガンダに来た目的の1つが、農園のスタッフさん、そして加工所のスタッフさんに、直接お礼を申し上げることでした。
いつもありがとうございます。
私たちがチョコレートを作ることができるのは、みなさんが愛情を持って加工してくださるからです。感謝しています。
皆さん、若〜い ^^
ウガンダ訪問記 まとめ(それぞれのページにリンクしています)
1、“赤道の国”ウガンダに向かって、いざ出発!
2、ウガンダ・エンテベ国際空港、そして首都カンパラへ
3、ウガンダの朝がやってきた!旅の始まりを感じて
4、なぜウガンダで?Farm of Africaさんの挑戦と願い
5、希少な生カカオ豆、その舞台裏へ──感謝を込めて加工所を見学
6、ナイル川のほとりへ──カンパラから湖畔ロッジへの移動
7、笑顔と歌に迎えられて──農園での歓迎とカカオの収穫体験
8、発酵という現場で感じた、チョコづくりの奥深さ
9、カカオの乾燥工程を見届けて──忘れられない歌のプレゼント
10、発酵で変わるチョコレートのフレーバーとカカオ契約農家さん訪問
11、ウガンダの暮らしを感じながら、農園から首都カンパラへ
12、にぎやかなマルシェからカフェまで──カンパラで見つけた暮らしの彩り
13、ウガンダに別れを告げて──帰国の空へ、夜明けの光とともに