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カカオの産地訪問記


グアテマラとの国境のすぐ近くなので、移民キャラバンの不法侵入の取り締まりが行われる中、車で別の農園に行きました。こちらの農園はCASFAに所属するアルバロ・オブレゴン地区の生産者組合に所属されています。
佐藤先生が、農園主であるデメトリアさん(83歳)のおかげで、ソコヌスコのカカオ豆が世界でも稀少で優秀なカカオ豆として栽培されているのだとおっしゃっていました。メキシコのカカオ生産者では超有名な方です。

デメトリアさんは18歳で結婚されたときに、カカオを植えられたそうです。
「雨(水)さえあればOK(育つ)。農薬や化学肥料は必要ない。堆肥だけを使う。」

農園が生活の基盤。ここで育ち、子どもも成長した。

自分の植えたカカオに話しかけている。「私が死んだら、あなたも死ぬ。だから実をつければ息子が世話をしてくれるから。しっかり実をつけなさい」
カカオは自分そのもの。周りの人は、おかしくなったと悪口を言うが、自分はカカオを信じて続けている。

モニリア病が蔓延したときに、やめた農家もある。
息子は昨年3,000本を植えた。政府は病気に強い品種の接木を勧めるけれど、この土地にはこの木(品種)、種から育てたものが一番。

接木は親木、子木ともストレスがかかる。種からの方が育ちがいい。
外のものを受け入れると、オリジンがなくなる(ソコヌスコのクリオロ種のカカオ でなくなる)



65年間で最初にカカオを植えた創設期が一番大変だった。他に、バナナや木材もやらないと生活できなかった。

嬉しかったのは、努力が実って、収穫したカカオがお金になったとき。
50年以上前は1kg 3ペソでほとんどお金にならない時も。今はきちんとお金になっている。(今はCASFAでは65ペソくらいなのだとか)

今は世界でも一番いいカカオとして、フランスにプレゼンに行くまでになった。

デメトリアさんのおかげで、病気になりやすいと言われるメキシコ ソコヌスコのクリオロ種が残っているんですね。
素敵なお話をたくさん伺うことができました。






デメトリアさんのお子さんの5人は成人し、お孫さん19人、ひ孫さん35人なんだそうです ^^




苗木が元気に育っていました。
双葉の色が、緑色だとクリオロ種で、紫色だとフォラステロ。一つの見分け方なんだとか。
ちなみにクリオロは「その土地のもの」という意味。フォラステロは「よその土地の」「よそ者」という意味 ^^
農園全て同じ品種にしないとすぐに交配してしまい、他家受粉した方が強くなってしまうから、クリオロがどんどん少なくなってしまったんだそうです。




左の3段の木の箱と隣の樽は、発酵ボックスです。右は乾燥棚です。




南国〜。きれい〜 ^^



たくさんのカカオポットが実ってます。
カカオポットは品種によって、この形、という決まりはないのだそう(昔はこの形、この大きさというふうに決まってたそうです)。

クリオロ種はホワイトカカオと呼ばれるように豆を割ると中が白く(クリーム色)、そのため渋みや苦味が低いのです。また酸味が少なくて甘味が強く、香りがいいのです。糖度も高く、パルプは16〜18度もあるそう。ただ、病気の弱く、生産性が低い。ちなみにフォレステロは糖度12~14度で、渋みも高くなります。



花が咲いて実になるまで165日。5、6ヶ月かかるそうです。収穫は、お隣グアテマラからの出稼ぎさんが手伝うそうです。




デメトリアさんのご長男のクアンさんは、毎日農園を見回って、病気になったカカオをカットして、土に埋めるそうです。

右の穴が空いてるのは、キツツキみたいな鳥が穴をあけて、中の豆を空気に触れさせて発酵させ、美味しくなったころにまた食べにくるのだとか。おいおい ^^;


想像以上に伝統あるソコヌスコのカカオ豆について学ぶことができました。デメトリアさん、クアンさん、ありがとうございました ^^




おっひる〜ご飯は、CASFAの皆さんと。またこれがまいう〜なのです ^^

CASFAの理念はアグロエコロジー。30年前から、もっとエコロジーな農業を目指そうという想いに、賛同者が集まってきたそうです。貧困解消のためにも、農家さん独自のやり方を組合で統一、そしてビジネス的に。

かつては仲買人を通しての出荷を強いられていたのを、生産者が直接販売を行う道が開けたのです。化学肥料、農薬にお金をかけずに環境にやさしい農業で、ハイ価格で買ってもらうための活動をされています。そのため厳しい基準をクリアしたものだけを扱っているそうです。


スペイン語はまったくわかりませんのパシャリ ^^;


話を聞いていたら、なんと昨年初めて日本に出荷したのだとか。しかも博多港!!!!どこどこどこ!!!^^
コーヒー豆と一緒に1/4コンテナに入れて送ったそうです。

カカオ豆はオーガニックなので、バナナとか農薬がつくと検疫にひっかかるので一緒のコンテナには載せられないそうです。なのでコンテナの3/4は空!TOC的にもなるほど!ザ・ワールドです ^^

実はこの後、博多港に届けられた輸入元と繋がって、今はそちらからカカオを購入させていただいてます。なんと隣町の会社さん^^
このカカオ豆で作ったチョコレートも、とても人気です。ありがとうございました。